馬籠さん【リアル無限列車】霊媒師も理解不能。あの世へ連れて行かれた男の話
現在60歳過ぎの人の昭和時代の体験談です。
その人は仕事は充実していてバリバリのやり手で会社から評価されていました。
久しぶりに仕事の休みがとれたので妻と子供とその人と電車で遠くへ行くことになりました。
途中の駅で、ジュースとか食べ物とか、その人が家族のために一人で降りて売店に行って用意しました。
しかし時間がないので元の車両には戻れず、後方の車両に乗ってから家族のところへ行こうとしました。
車内を移動していると乗客は少なく、外の景色は河原で草の生えたところでした。
子供とか女の人がいて手を振っていたそうです。
不思議なことにお線香の香りがしました。
足元でなにかが落ちる音がしてぼろぼろのお守り袋が落ちていました。
祖母の形見でした。
それを拾って手に触れた瞬間、場面は自宅に変わっていました。
ロープで首が閉まっていて、同時に女の幽霊も首を絞めていました。
ロープは天井からぶら下がっていて自分がぶら下がってじたばたしている状態だったのです。
実は旅行に行ったのは幻だったのです。
その人には妻も子供も最初からおらず、仕事もろくにできず、最下位の成績でした。
会社から休みを取らされ、家で精神科の薬を飲んでいて記憶が飛んで、いつのまにかこの状態になっていたのです。
女の霊は「チッ、気が付きやがって」みたいな反応をして、首を絞めてきます。
その人が首のロープをほどこうとバタバタしているとチャイムが鳴って下の階の住人が入ってきて助けてくれました。
下の人が言うことには、知らないおばあさんが来て上の人が困っているから助けてくれといって消えたそうです。
そのおばあさんこそ、その人の祖母で幼いころからかわいがってくれていた人でした。
形見のお守りを使って守ってくれていたのです。
女の霊は男に捨てられ、このマンションで自殺した女の怨霊だったのです。
自殺者の霊は成仏できず、苦しんで怨霊となり、仲間を増やすために弱っている人に取りついてもっともらしい幻惑を見せて死へと誘います。
みなさんも自殺だけはしないでください。
その人はそれから転職して、結婚して、孫までいて、今、幸せに暮らしているそうです。